コミュニティカフェ「かなざわ魅力発信BASE」

まちへの愛着とつながりで、定着のきっかけ創出を!

■ なぜこの事業を実施したのか
金沢は高等教育機関が多く集積する全国でも有数の「学都」と呼ばれるまちです。毎年国外・県外から多くの若者が集まりますが、卒業や就職を機に県外に流出してしまう傾向があります。まちの活力である若者が、いきいきと活動できるまちを実現するために、本事業を企画・実施しました。

■ 事業内容
・金沢のまちを知り、学び、つながるためのコミュニティカフェ運営というテーマを設定し、学生が主体となって商品開発・広報・企画の3部門の取り組みを計画・実行する実践的な挑戦の場。石川県内の高等教育機関から30名を超える学生を募りました。

キックオフオリエンテーション、作戦会議など全5回のオフラインミーティングの中で地域の企業や団体と連携して、まちの魅力を発信するための計画を練っていきました。

夏休みの期間を活用して、8月末~9月末までの1ヶ月限定のコミュニティカフェをオープンしました。地域の企業と開発した商品や、地域の企業とコラボしたイベント企画など、学生が主体となって計画したものを実践する場となりました。

・金沢魅力企業カンパニー

・写真展(金沢美綴り)

活動の集大成として、総まとめワークショップを行い、計画した内容に対しての検証や学生が事業参加によって得たものや成長を振り返りました。

■ その結果どうなったのか
・本
事業への参加を通して、9割以上の学生がまちへの愛着を高める結果となりました。また、学校や学年を超えた学生同士のつながりや、地域の大人と学生のつながりが多く生まれ、人を起点とした地域への愛着醸成ができました。

■ 今後の展開について
具体的な引継ぎ先などはありませんが、今後行政や民間企業にて本事業をモデルとした取り組みがなされることに期待します。

 

■ 担当者より一言
本事業は、学生が地域との実践的なつながりと挑戦を通して、金沢の「まち・企業・人」の魅力と出会い、地域との新たな関わり方によってまちへの愛着心を醸成することで、定着のきっかけ創出をすることを目的としました。
事業の結果から、まちへの愛着だけでは定着のきっかけ創出とすることは難しいことがわかりました。一定数定着のきっかけ創出にはつながりましたが、学生が思い描く自身のキャリアや将来設計を大きく変えるまでのインパクトを与えることはできませんでした。
ただし、本事業の中で見えたのは就職先としての目線が大都市圏に向いているだけで、地域の魅力的な企業を知る機会や、触れ合う機会、実践的な交流の機会が増えることで、就職先としての目線が変わっていくのではないかと考えます。
一方で、本事業によって私たちは、学生のまちに対する愛着を醸成することができました。愛着に大きく影響したのは「人」の面であると考えます。学生にとって、学校では経験できない地域との協働を、地域の同世代や社会人と密接に関わりながら取り組む過程で、人とのつながり、絆が深まっていきます。信頼できる人、友人、応援・サポートしてくれる人がいると思える地域は強いです。
この「愛着」というキーワードと、実践的なつながりで関係性を深める「人」要素、まちとのつながり感によって得た体験や経験による「コト」要素をより追求し、掛け合わせることによって、より若者の定着のきっかけ創出に働きかけができ、若者のチカラが活きるまちになっていくのではないかと考えます。