誰もが挑戦できるまちを目指して
■ なぜこの事業を実施したのか
まちに宇宙産業に取り組む基盤をつくり、金沢青年会議所2030中期ビジョンである「誰もがあたりまえに挑戦できるまち金沢」の実現に向けて、事業参加企業とともに宇宙産業へ挑戦する事業を実施しました。
■ 事業内容
宇宙産業に挑戦したい企業を募集し、いしかわスペースコンソーシアムの立ち上げ及び、新規ビジネスプランの構築を実施しました。
キックオフミーティングでは、株式会社天地人をお呼びして、衛星データを活用した勉強会を行いました。天地人コンパスという無料で使えるサービスを利用して、参加者が実際に衛星データを見て学ぶ体験が得られました。
第一回勉強会では、高野 誠鮮氏をお招きして衛星データを活用した農業改革を中心に、漁業での利用や土地開発方法などについて講話いただきました。また、どのように衛星データを取得するのか、どのように解析するのかについて参加者へ手法を解説しました。
ビジネス交流会では、金沢大学、金沢工業大学、石川県予防医学協会をお招きし、ビジネス商談会および事業参加企業によるプレゼンテーションを実施しました。
第二回勉強会では、元JAXA職員で合同会社ムーン・アンド・プラネッツの寺薗淳也様による宇宙ビジネスに関する勉強会を実施しました。勉強会終了後も参加者同士や講師との話が絶えませんでした。
その後、いしかわスペースコンソーシアムが設立され、記者会見を実施しました。
同日、いしかわスペースコンソーシアム設立記念フォーラムが開催され、これまで事業に参加された企業による成果報告及び、宇宙飛行士土井隆雄様、高野 誠鮮様による講演を実施しました。講演及びパネルディスカッションでは「宇宙産業をどのように金沢市へ浸透させていくのか」というテーマで進行しました。一般参加者を中心に質疑応答の時間を設け、宇宙産業に対しての理解度を深めていただきました。
■ その結果どうなったのか
これまで3年間かけて実施してきましたスペースコンソーシアム構想を実現するために、いしかわスペースコンソーシアムを設立することができました。
■ 今後の展開について
今後は金沢青年会議所から独立し、石川県内に宇宙産業へ取り組む基盤をつくり、産業振興および人材育成につなげていけると考えております。
■ 担当者より一言
本事業は持続的な地域の発展を目指し、新たな成長産業として注目される宇宙産業に着目し、宇宙産業に取り組む基盤を地域に作る目的で2022年度から継続して実施してきた事業でした。
継続的な活動が評価され、本年では金沢大学様、金沢工業大学様との産学連携の糸口が見つかり、企業と学校それぞれが目指していきたい未来に向けて、宇宙という共有点を通して互いが協力し合う関係性を構築することができました。
「宇宙産業」ではなく、「スペースリソースを活用する」という視点を一般企業の方に持っていただく目的で、衛星データを活用したワークショップや勉強会を実施しました。その勉強会を受けて、複数の企業から衛星データを活用した新たなビジネスプランや業務効率化につながるプランが生み出されました。
金沢に宇宙産業へ取り組む基盤をつくるためには、まず宇宙に関するハードルを下げることが重要だと考えます。そして、宇宙を志すメンバーを集め、協力し合うことで、まちで宇宙産業が自ずと盛り上がっていくと考えます。それらを叶えるために、スペースコンソーシアム構想が先輩方によって作られ、本年度それを実現することができました。
今後は金沢青年会議所から独立した組織として活動していくことになりますが、いしかわスペースコンソーシアムが広く評価され、当年度ではなし得なかった、産官学による連携組織として活躍していくことを期待しています。